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日々の日記:研究とか留学とかおいしいご飯とか

いい研究とは何か Sins of Omission and the Practice of Economics (Journal of Economic Literature) by Geroge Akerlof

いい研究をしたい。

いい研究とは何か。そもそも学術研究とは何か。
今般の経済学の研究は識別戦略・因果関係を求めることに偏重しており、何が現実世界に大事なのかというメッセージに欠けている研究が大きいと思う。

ジョージ・A・アカロフの論文Sins of Omission and the Practice of Economics (Journal of Economic Literature) の主要なポイントをClaude aiに解説してもらった。

  1. 経済学は「ハード」な研究(精密で数学的、統計的に厳密)を重視し、「ソフト」な研究(より定性的、事例研究ベース)を軽視する傾向がある。これが研究テーマの偏りを生んでいる。

  2. 研究者が「ハードさ」と研究テーマの重要性をトレードオフする単純モデルを提示し、重要だが「ソフト」な分野が無視される傾向を説明している。

  3. この偏りの理由には、経済学が「ハードサイエンス」として認識されたい欲求、精密さを重視する評価プロセス、特定タイプの人材が経済学分野に集まることなどがある。

  4. 結果として、新しいアイデアへの偏見、過度の専門化、キャリア向上のためのトップジャーナル掲載への過度の依存が生じている。

  5. この偏りによって無視された重要な経済問題の例として、2008年の金融危機の予測失敗、経済行動におけるナラティブ/物語の役割、ソビエト経済システムの包括的分析、喫煙率に対する社会的態度変化の影響、気候変動政策に影響を与える公衆の認識などを挙げている。

  6. 経済学の博士課程が経済の理解よりも研究手法の教育に狭く焦点を当てすぎていると指摘している。

  7. アカロフは、より多様な方法論を許容し、重要だが「ソフト」なトピックの研究を可能にするため、経済学の出版と昇進の慣行を再検討するよう呼びかけている。

全体として、経済学が価値ある但し定量化が難しい研究アプローチを犠牲にして、ハードで精密な方法論を過度に重視する規範と制度を発展させてきたことが、重要な経済現象の理解に大きな盲点をもたらしているという主張である。