Mabuhay!

開発経済学・農業経済学

修士論文が国際ジャーナルAgricultural Economicsに掲載決定しました。

修士論文(を改訂したもの)が途上国の農村開発のトップジャーナルであるAgricultural Economics誌に採択された。

Agricultural Economics誌は国際農業経済学会の学会誌であり、個人的には 修士論文をこのジャーナルに載せることができたことで修士課程を大成功とみなしたい。

本論文はバングラデシュ農家の気候変動適応行動の誘因と家庭の食料安全保障への影響を分析している。 台湾大学の農業経済学修士課程では、修論執筆フェーズに入ってから2週間に1回1時間、指導教官とミーティングする時間を頼み込んで設けてもらい、バングラデシュ農業大学の先生とは頻繁にSNSでディスカッションを行っていた。

台湾大学修士課程では、大学から学費と生活費をカバーする奨学金を頂いており、私は在学中一切金銭的な負担をすることなく修了することができた。 アルバイトをする必要もなかったので、毎日図書館か学生寮の自室か大学近くにあるお気に入りのカフェで勉強と研究に打ち込むことができた。 台湾大学には改めて感謝申し上げます。

引き続き論文執筆に邁進していきたい。

やりたいことやったもん勝ち青春なら

「やりたいことやったもん勝ち青春なら」という歌詞の曲がありますが 青春は、玄冬・青春・朱夏・白秋のうちの一つで、これからの未来に希望を膨らませ、成長しつづける時期を指します。 白秋は老年期を指しますが、詩人の北原白秋はここからペンネームを取っていますね。

私は25歳ですが、日本の平均年齢は48歳なのでまだまだ若い!!! 私の青春はまだまだ続きます。 むしろ人生これから未知の展望しかないのです。 というわけで、今年は海外のPhDに出願しようと思います。

PhDに行くまじめな理由としては 自分らの世代はおそらく75歳または80歳くらいまで現役だと予測しているので(日本の財政は現時点で限界だし)、 今後をより充実させるには、なるべく早くかつたくさん人的資本(自分に)投資しないといけないと思っています。 逆に、そこで自分に優位性を身につけさせてあげれば、今後楽しくかつちゃんとお金を稼げていけるはずです。

PhDに行くカジュアルな理由は 農業経済学・開発経済学を勉強して・研究することが純粋に楽しいので、自分への色んな意味でボーナスになると思っているからです。 楽しいから・行きたいからというのが理由です。

ちなみに、今年の秋はアメリカ・カナダ・オーストラリアの博士課程に出願しようと思っています。 アメリカはまだどこに出すか具体的に決定はできていませんが、農業・開発経済学が強いコーネル・UC Davis, UW Madison, UIUC, Minnesotaが中心になると思っています。 カナダとオーストラリアについては以下の2校に出す予定。 おそらく2校とも日本人の知り合いに聞いても知らない人がほとんどだと思うので少し補足します。

カナダはゲルフ大学の食料・農業・資源経済学博士課程に出す予定です。 このプログラムは奨学金が出て、合格すれば毎年3万カナダドル以上の補助が出ます。 ただ、学費は免除されないので、この補助から拠出するか、学費補填の奨学金を獲得する必要があります。 それでも日本の博士課程と違って多少の余裕があるはずです。 研究についてもDr. Yu Na Leeを始めとした開発・農業の分野で実績のある先生が何人もいらっしゃいます。 確かにアメリカのほうが実績もある先生がたくさんそろっているプログラムがたくさんありますがカナダだって負けていません。 そして、アメリカより相対的に安全だしご飯もおいしそうだし、Tim Hortonsあるし、スキーもできる。 余りにも競争率の高いギラついたプログラムだと疲弊しきった博士課程になってしまいそうで、私にとってそのような環境は好ましくないです。 のびのびとできる環境のほうが、自分が伸びる環境だとこれまで25年間自分と付き合ってきてわかります。

オーストラリアはモナシュ大学の経済学博士課程に出す予定です。 モナシュ大学も開発経済学が盛んな大学で、Center for Development Econoimcs and Sustainabilityという研究所を持っていて、所長はAsadul Islamという勢いのある卓越した経済学者です。 この研究所を見つけたとき、直感的にここに行きたいと思ったので、ここに焦点を当てつつ出願準備をしていきたいと思います。 ちなみに学費は4万オーストラリアドルと冗談も嘘だけにしておけという額なんですが、この大学もMonash International Tuition Scholarshipというのがあり、もし獲得できれば無事に進学することが叶いそうです。 また、Monash Graduate Scholarhsipという奨学金もあり生活費相当の補助を得られるみたいです。 奨学金を獲得できるかは入学審査次第なのですが、これらの奨学金を獲得できるように準備していきたいものです。

カナダ・オーストラリアに目をつけている理由は、アメリカの博士課程は大抵5年以上、6年が標準となっているのですが、加・豪の場合は3.5~4年が標準年限となっているからです。 もちろんアメリカ同様コースワークを受けたうえで論文を書くのですが、それでも4年以内に終わらせられるというのは非常に魅力的です。 今年出願するとして、30歳の年には博士号を取得できるのですから。 30歳までに博士号を取ってかつ2年半の実務経験を保有しているというのは自分の人生プランとしては大成功なのではないかなと思っています。 もちろん、これは理想的な場合なので実際はどうなるかわからないのですが、挑戦しなかったら理想も実現しないので。

まずは、手元にある論文を来月には投稿して、査読に回っている2本の論文を博士課程出願前に受理されるところまで持っていきたいです。

国際学会に参加し終わった3月末に何か投稿したいなと思います。

2023年の目標

あけましておめでとうございます 人間って不思議なもので2022年から2023年と年が変わるだけ(他は本質的には変わらないはずなのに)で少しフレッシュな気持ちになるの凄いですよね。

2022年は修士号取って、日本に帰って新卒で民間企業に入って半年で研究所に転職をするというアクロバティックなことをしたので2023年は落ち着いて粛々と準備を進めていきたいです。

そういうわけで今年の目標は

  1. 主著論文2本アクセプト、主著論文4本投稿 本当は去年の内に1本出版したかったが、そんなにスムーズにいくわけもなく。。。 1本目:修士論文が農業経済学のトップジャーナル群であるAgricultural Economis誌にRevision and Resubmitの状態で査読結果を待っています。 Minor revision(要修正だが大きく改定する必要はない)という状態なので今年こそは吉報が来ると信じています。 後述する海外博士課程に合格するために主著論文が出版されているのは自分の強みになるはず。

2本目:昨年末に携帯電話の所有率と貧困削減に関する論文を執筆し、Austrarian Journal of Agricultural and Resource Economics(AJARE)という雑誌に投稿して査読結果を待っています。 しかし、先日所内で発表したところ核心を突いたコメントをいくつもいただいたので、それに合わせて修正しました。 AJAREも良いジャーナルなので改訂要求が来れば万々歳なのですが、もしだめでも修正版の原稿をさっさと次に投稿して今年中にアクセプトを頂きたいと思います。

4本投稿:完成間近が1本、アイデアとデータがすでにあるのが2本、アイデアだけが1本現状あります。 完成間近の論文は3月の学会発表に向けて完成させて、上半期にどこかに投稿したいですね。 アイデアとデータのある論文は1本特別号に出そうと思っているので2月末までに一気に完成させたいと思います。 もう1本も今まで取り組んだものに似ているので、上半期までに書ききってどこかの学会発表に投稿したいと思います。 アイデアだけのプロジェクトはデータをゆっくり探しながら下半期くらいから書き始められたらなと思います。 それなりに野心的なテーマなのでデータを何とかすれば分野トップジャーナルも狙えるのではないかと思っています。

  1. 科研費・所内研究費を取る 科研費の応募資格をゲットしたので今年は科研費を取りに行きたいと思います。 2年間で最大300万円を手に入れられるチャンスなのでしっかり取り組んで、バングラデシュでのフィールド調査につなげたいと思います。 また、所内研究費も額は多くないですが、大事な研究費なので着実に取りに行きたいと思います。

  2. 海外の学会に投稿する(AAEA, EAAE) 海外出張に行ってみたいので、学会発表しようということです。 しかしAAEAの締め切りは1/17, EAAEの締め切りは1/31とかなり危機的な状況です。 AAEAは要旨をまず提出なので気合で終わらせたいが。。どうする。 ただ、間に合わなくても挑戦する価値はあるのでやれるだけやってみます。

  3. 日本南アジア学会で発表する 曲がりなりにもバングラデシュについて研究するのが仕事なので、自分の研究を南アジア研究者のコミュニティに売り込むことが目的です。 どんな場所でもコミュニケーション・コネクションなどのソフトな面は大事なので、自己紹介ですね。

  4. TOEFL100以上 2024年の秋に海外博士課程に出願して、合格すれば2025年9月ころから職場の海外派遣員として海外に行けるはずなので それを目標にTOEFLGREを取っていきたいと思います。 GREはまずTOEFLの目標点数が達してからですね。 TOEFLは2022年6月に受けて97にとどまってしまったので今年こそは100を越えていきたいです。 現状はアメリカとカナダの大学院に出願したいと思っていますが、イギリスの大学院にも興味あるのでもし出願するとなるとTOEFL110が求められることになり、より一層努力が必要になります。 リーディング以外のすべての点数が低いので、日々の英単語勉強とリスニングを継続します。

  5. 放送大学線形代数学・入門微分積分学 を履修する 2022年は入門線形代数GIS入門を履修しました。 学部時代に経済数学を履修しましたが、あんまり身についていないような気がするので、微積・線形の基本的なところまでを再度抑えて博士課程に臨みたいと思います。

  6. 体を絞る178cm 71kgに戻す。 大学院に行って75-6kgになってしまったので、より健康的になるべくランニング・ウォーキング・懸垂・うんていをコツコツとやっていきたいです。 幸い家から職場まで片道2.4km(Google mapによる)なので走って12-3分、自転車で10分、歩いて25分くらいと日々少なからず運動できているのは助かっています。

近くの公園にうんていと鉄棒があるのでキッズ達に交じりながらちょくちょく体動かしていきたいです。 室内で懸垂ができるぶら下がり健康器具と体重計を買うか非常に迷いますが、最近ホワイトニングなど体の手入れにお金かかってきているので徐々にそろえていきますかね。

2023年もよろしくお願いいたします。

直近の研究セミナーや学会に参加してみての感想

自分はどのような研究をしていきたいのか、よく考えている。

今取り組んでいる研究に関しては、自分のホームページに書いてあるので、それはいったん置いておく。

自分の研究分野は農業経済学と開発経済学が交差するような場所にあると思っているが、このまま経済学のメインストリームで勝負していくべきなのかとても迷う。 大事なのは経済学の理論に基づいて実証分析を行い、経済学のトップジャーナルから論文をだし広く読んでもらうことなのか。

私は農業経済学専攻でずっと訓練を受けてきて、いざ経済学専攻出身の先生方の発表を聞くと非常に厳格でレベルの高いことをやっているなと感嘆せざるを得ない。 自分は例えばAmerian Economic ReveiwだとかEconometricaだとかの経済学のトップジャーナルから論文を出すのは不可能に置換じゃないかと思っていて、いわゆるホームランバッターよりアベレージヒッター的な研究をしたいと実感してきている。 これは経済学博士課程を経た人には、甘いと思われるかもしれないが、なんというかもっと経済学の匂いがプンプンとしたものより、もう少しファンシーなことをやりたいと思う。

例えばリモートセンシングを入れ込んだやや学際的な研究だったり、 もっと問題意識が先行した研究をしたいなと思う。(地域研究的な視点を入れて)

理論で言われているけど現実は実際どうなのか、という研究ではなくて、現地で何かを感じてそのメカニズム・理由は何なのかを解き明かすほうがいいなと思う。完全に個人の意見であるが。

そういう意味もあって、早く現地に渡航したいなと日々思いを募らせている。 来年にはバングラに行けると思うので、バングラを東西南北駆けずり回って、その実況中継もしたいと思っている。

以上雑文でした。

執筆再開

大学3年生の時に始めたこのブログを再開させようと思う。 執筆記事は数十に及んでいたがそのほとんどを削除した。 今までは海外渡航や留学に関する記事がメインだったが、心機一転、論文レビューをメインにする予定だ。 遂に研究者見習いみたいなところまで来たので、コンスタントに論文を読み、レビューし、その蓄積された知の上で論文を執筆していきたいと思う。